続・TOK同期飲み

一足早く店を出て、新宿の地下道を激走すること5分。
なんとか終電に間に合った。
飲み会中、受信したメールに返信しようとバッグに手を入れると…
「携帯がない?!」
店に忘れてきたことに気づき、発車間際に電車から飛び降りた。
つくばへの最終電車にはもう間に合わない。
多分、ミッドナイトつくば号も際どい。
これはまた妹のところで一泊だな。
と考えつつ、小走りで店へ戻った。



「忘れ物ですか。今、テーブルを片づけているところなのでどうぞ。」
快く中へ通してくれ(って当り前か)、席に戻ってみたがそこにはお姉さんがいるだけだった。
受付へ戻ると、
「そういえばお連れさんたちが出て行くときに、『携帯を忘れていくなんて…』って話していましたよ。電話掛けてみますか?」
と店の電話を貸してくれた。
090...
受話器からは無機質な女性の声が流れる。留守電である。
ここで何度も掛け直すわけにもいかないので、店員に礼を言って妹に厄介になるべく、調布へ向かった。



最寄りの駅に着くなり、駅前の公衆電話で自分の携帯に電話をかけようと試みる。
…が、小銭が空しい音をたてて返却口から帰ってくるばかり。
駅員に苦情を言いに行くと、
「さっき落雷があったからね。それで調子が悪いんじゃないのかな。」
と面倒そうな顔で答えられた。
仕方ないので、とりあえず妹の家へ。
しかし、家には誰もいない。
自転車がないので、たぶんバイトから帰っていないのだろうと考え、正常に機能している公衆電話を探すことに。
コンビニで公衆電話の場所を尋ねてみるが、
「さぁ。」
としか返事が返ってこなかった。
そりゃそうだ。
携帯がこれだけ流通している現在、公衆電話がどこにあるかなんて気にして生活している人なんてほとんどいないだろう。
肩を落としてさまよっていると、目の前にビジネスホテルの看板が。
「空室があるならここに泊ってしまおうか。」
とも考え、フロントでチェックインできるか尋ねる。
「あいにく、今日は満室でして。」
と即答。帰り際に
「この辺りで公衆電話ありませんか?」
と尋ねると、意を察して
「うちの電話を使いますか?」
と電話を使わせてくれた。
自分の携帯、実家と電話をかけてみるもどちらも留守電。
(今年の手帳にはまだ妹の連絡先や親の携帯の番号は書いていなかった。)
受付に礼を言って、ビジネスホテルを出た。


妹の部屋の前に戻り、妹の帰りをただ待つことに。
ほどなくして、妹が帰宅。
手には俺の携帯。
「?!」
実は妹が外出していたのは、バイトではなく携帯を受け取りに行っていたためだった。
同期の一人が携帯で妹に連絡を取ってくれたようで、その電話を受けた妹が最寄りの駅まで自転車で取りに行ってくれていたのだった。
「まったく何やってんのよ。」



携帯を届けてくれた同期と妹には、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです☆