植物を太陽電池にすると・・・

太陽電池システムの営業と電話で戦ったことがあるmatsuです。
20年以上持つのならなんで品質保障が10年なのかねw


以前、この「理系の小話」で太陽電池の話をしました。
現段階では製造コストが高すぎる割に発電効率が悪くて、結局環境にかかる負荷は大きいという結論に到りました。
植物をそのまま太陽電池に使用することを考えると、とりあえず「製造コスト」という点は解消でき、石油もほとんど使わないで済みます。(もちろん机上の空論ですが)


ただ発電効率を考えると絶望的なまでに低いようです。
植物が最低限の生命維持のために使うエネルギーを差し引くと、効率はわずか0.X%。
太陽電池の100分の1に過ぎません。
これじゃ実用化はほとんど絶望的、というわけで植物の太陽電池化は行われていないみたいです。


昔、植物の「最低限の生命維持のためのエネルギー」をもカットしてしまえばどうだろう?
と考えた人がいて、光合成に使われる色素だけを取り出し、それを電極に取り付けてエネルギーを取り出そうとした変人がいました。
まぁうちの研究室の先生なんですがw
発電効率は上がるみたいなんですが、今度は電極上の色素が光であっさり分解してしまったみたいです。
色素が光に対してもっと強ければ・・・いやいや、その発電のための装置にお金がかかりそうです。
(色素を電極に付着させるのも一苦労なので)


太陽から地球に降り注ぐエネルギーは非常に膨大な量で、そのうちのほんのわずかな量のエネルギーが食物を食べたり電気を使ったりして利用されています。
エネルギーへの変換効率が低い植物でも、実は人間よりも多くの太陽エネルギーを利用できている。
(チリも積もれば山となるようで、効率が低くても植物の量が膨大なので)
だから食物連鎖が成り立っている。
その膨大な植物が蓄えるエネルギーを、もう少し人間のために使おうというのはこの上ない我侭なのかもしれませんね。