絶対零度は計れるのか?

最新技術とかいういつもの話とは違って、ぼんやり考えてることです。


温度を測定する一番メジャーな測定機器と言えば
温度計(赤い液体が入っているもの)
ですよね。
昔は水銀が入っていたものが使われていたという話も聞いたことがあるんですが、
水銀だと温度計が割れた時に有毒な水銀が飛び散ってしまうために使用されなくなった
という話を聞いたことがあります。
それにしても、あの温度計という代物は精度が悪く、色んなメーカーが作ったものを一緒に並べてみると
どれも温度が違う?!
なんてこともあるそうです。


理工系の学生なら一度は使ったことがあるであろう
熱電対
これは温度計より数段制度の良いものです。
2種の異なる金属を接続して回路を作り、その2つの金属にそれぞれ別の温度を与えると電位差が生じ、電流が流れるというゼーベック効果という効果を利用して温度差を測定するものです。
学生実験では水筒に氷を入れて、それに熱電対の片方を突っ込んだ気がします。
熱電対が温度計よりも優れている点は

  • 温度計よりも広範囲の温度領域を測定できる
  • 量の少ない物質も測定可能
  • 測定機器による熱の吸収が少なくて済む

こんなところでしょうか。


あとよくテレビの検証番組などで目にする赤外線サーモグラフィー。
これは物体から出ている赤外線を検出することによって、非破壊的に温度を測定できます。
さらに画像としてリアルタイムで表示することも可能なので、テレビ番組用(?)としては大変優れている。


前書きが長くなりましたが本題です。
現在絶対零度の限りなく近くまで温度を下げる事が可能になり、その近辺で面白い挙動を示す物質の研究も進んでいます。
もし仮に、絶対零度に到達することが可能だとしましょう。
ではその絶対零度をどうやって測定するのかという疑問が生じます。
熱電対で測ろうものなら、微妙に熱電対から絶対零度に熱が移ってしまい、厳密な絶対零度ではなくなってしまいます。
絶対零度では全ての原子の振動が止まっている(量子力学的には零点振動をしている)わけですが、その状況で物体から赤外線は出ないのではないか、とするとサーモグラフも使えません。
というより絶対零度の物質が自分より高温の物質と接している限り(熱伝導が起こってしまうため)、厳密な絶対零度なんて不可能な話なんですけどね。




やばい、勉強せねば。