光で汚れを分解

matsu112006-06-28


TXが開通してそろそろ一年が経ちます。
つくば駅の屋根や窓ガラスに使われているガラスもそろそろ掃除しないと汚いんじゃないの?
と思いきや、全然汚くなってませんね。
家の窓ガラスなんかは一年も掃除しないと酷く汚くなります。
この差は一体なんでしょう?


酸化チタン電極と白金電極を水槽に入れ、酸化チタン電極に光を当てると両電極から気体が発生する。
酸化チタンからは酸素、白金からは水素である。
この光による電気分解は発見者の名前にちなんで
本多・藤嶋効果
と呼ばれている。
一昨日、講演を聴いた藤嶋先生のことである。
一時期、これを利用して太陽光エネルギーを「水素」として蓄えることはできないか?
と注目されもしたが、その効率の低さに断念せざるを得なかった。
(太陽光のほんのわずかな部分しか利用できず、太陽の光だけでは上手く作動しないため。)


この効果を何かに利用できないかと藤嶋先生は考えた。
「酸化チタン光酸化力(光を使って酸化する能力)をどう利用すればいいか?」
考えに考え抜き、試行錯誤を繰り返し、
「水以外の汚れや匂いなら分解できる。」
という結論に達した。
TOTOにこの技術を売り込み、さらに研究を続けているうちにあることが分かった。
「汚れが落ちるのにはもう一つ大きな原因がある。それは酸化チタンに光を当てることによって生じる超親水効果である。」
現在この技術は中部国際空港つくば駅、ビルの塗装などに広く使われている。
カー用品店に行けば、「車のガラスに超親水加工を施す」塗布剤が売られている。


雨の日に、雨に濡れたつくば駅のガラスを見てみましょう。
超親水効果のため、水滴はほとんど水の膜となっていることがわかると思います。
憂鬱な梅雨時、ささやかな楽しみの一つになればいいのですが…ならない?