バイオエタノールは地球に優しいか?

米が炊けるまでの暇潰しw

バイオエタノールは地球に優しいか、否か。
諸説あるが、今回はバイオエタノールを工業的に使うための精製過程に焦点を当てて考えていきます。
まず、バイオエタノールはどのように作られるのか。
簡単に説明すると、

1.作物を作る
2.発酵させる
3.エタノール抽出・濃縮

という過程で作られます。
作物としては、糖質が多いサトウキビやデンプンが多いトウモロコシなどが適しているらしい。
食物として利用するわけではないので、多少の虫食いや形の悪さは問題にならない。
この点がバイオエタノール用の作物を作る側としては嬉しいところ。


問題は、3の工程。
発酵させた段階でエタノールの濃度は高くてもせいぜい20%前後で他は水を含む不純物。
濾過などにより不純物を除いたとしても、最終的に水とエタノールを分離しなくてはならない。
水とエタノールの分離というと、高校の理科で習った蒸留という方法がある。


しかし、ここで問題が。
実は水とエタノールの蒸留には欠点がある。
それは、通常の蒸留方法ではエタノールの純度は95%以上あがらない。
95%以上になると水とエタノールは共沸混合物というものを作ってしまう。
共沸混合物とは、混合物の組成(割合)変化によって沸点が等しくなってしまった状態のことを言う。
蒸留は混合物の沸点の差を利用して分離する方法なので、沸点に差がなければ分離できない。
エタノールの純度を96%以上にあげるには、水エタノール混合溶液にベンゼンかヘキサンを入れ、水エタノールの共沸混合物を壊して、水とベンゼンまたは水とヘキサンの共沸混合物を新たに作ることが必要になってくる。


エタノールを燃料として使うには高純度が要求されるので、どうしてもベンゼンかヘキサンを使わなければならなくなる。
ベンゼンもヘキサンも石油由来の化合物。
蒸留に使われる熱も石油由来だから、結局のところ「バイオエタノールも石油を使わなくちゃできない」ということに。



石油がなければ結局エネルギーは生み出せないでしょうね。。。