ミイラから復活することは可能か

matsu112006-07-08

古代エジプトでは、ミイラはいつか復活すると信じられていた。
もちろん古代エジプトだけではなく、遠く離れたアンデスでも、そしてここ日本でも即身仏という形でミイラ作り(日本はちょっと意図が違うか)が行われてきた。


アフリカにネムリユスリカ(学名 Polypedilum vanderplanki )という生物がいる。
この生物はほとんど雨の降らない乾燥した気候のもとで生息している。
この幼虫が凄い!
なんと17年間も乾燥した状態(水が全く無い状態)に置かれても、
水を与えると復活するのである
さながらリアルミイラといったところだろうか。
さらに極低温や高温、アセトンなどの有機溶媒に対しても耐性を持ち、これらに長時間曝しても水を与えればやはり復活するのである。


これはネムリユスリカが乾燥状態を感知したときに分泌する
トレハロース
という糖の一種が作用しているらしい。
このトレハロースを使って、臓器を長期間保存するなどの応用も考えられているのだが…
実はこのトレハロースという物質は人間の体内にも存在する。
そしてネムリユスリカ程ではないにしろ、何らかの刺激によって人間もこのトレハローズを分泌できるらしい。
という事は、この分泌をコントロールできれば
乾燥状態にされた人間も蘇生できるのではないか
とも考えられている。


ネムリユスリカのこのような性質は永久的休眠、クリプトビオシスと呼ばれるらしい。
人体に永久休眠的に眠っていた未知の性質が、科学技術の進歩という一滴の雫によって、
覚醒するかもしれない。