見えないものを見る PART 2

「裸の王様」の話を覚えていますか?
あらすじは

新しい服が大好きな王様の元に二人組の詐欺師が布織職人というふれこみでやってくる。彼らは馬鹿には見えない不思議な布地を織ることができるというので、王様は大喜びで注文する。仕事場にできばえを見に行ったとき、目の前にあるはずの布地が王様の目には見えない。王様はうろたえるが、家来たちの手前、本当のことは言えず、見えもしない布地を褒めるしかない。王様は見えもしない衣装を身にまといパレードに臨む。見物人も馬鹿と思われてはいけないと同じように衣装を誉めそやすが、その中の一人に小さな子どもがいて王様が裸であることを指摘する。

というもの。
「『見えない布地』がその場にある」ということを確かめるために、王様はどうすれば良かったのでしょうか?

「見えない物体がそこにある」ということを確かめるにはどうすればいいのでしょうか?
答えは簡単です。
触ってみればよいのです。
では触っても分からないような物体、物凄く小さくて更に色が付いていないような物体はどうやって存在を確認すればいいのでしょうか?


考え方としては手で触ると同じ発想です。
手で触るという方法は手の表面と物体との相互作用によって、「その物体がそこにある」ということを認識します。
つまり、対象物に対してあるものを作用させ、そのあるものとの相互作用を見ればよい。
言い換えれば、「何か」をその物体に衝突させ、その衝突による「何か」の変化を見ればよい。
そこに何も無ければ衝突しないので「何か」は直進します。
そこに何かあれば衝突させた「何か」は直進しません。


この原理によって原子核の存在が確認されました。
1911年のことです。
これにより原子核物理は大きな発展を遂げることになり、この功労者であるラザフォードはノーベル化学賞を受賞しました。


王様は見えない服を身に纏ったときに着ている感触が得られなかったんじゃないかな?と思うのですが・・・